リング

 

 

「まだやんのかー?俺、今日はもう帰るわ。また明日な」

「うん、また明日」

ハンガーを出てゆく滝川を見送ってから速水は隣で作業をする舞を見た。

彼女は先の出撃で被弾した箇所の整備に余念がない。

もう一人の1番機パイロット壬生屋もまだ残って仕事をしている。

この分だとまだまだ彼女達は仕事を続けそうだ。

彼は諦めたように作業をしながらぼんやりと思う。

 

芝村舞。速水の恋人である。

恋人同士になってもうすぐ二週間になろうとしていた。

が、彼女と二人きりになることは滅多になかった。

こうして夜遅くまで仕事をする以外は。

学校では常に誰かが側にいて、作ろうと思ってもなかなかチャンスがない。

唯一、期待して楽しみにしていた初デートも急な出撃でお流れになった。

その後また誘う間もなく出撃を繰り返し、今に至っている。

 

ずっと彼女が好きだった。

出会ってからずっと。

可愛いものが好きで、素直じゃなくて、でもそういう所が大好きで。

ずっと『好き』の一言が言い出せずに見つめ続けていたある日、昼になって急に雨が降り出した。

濡れてしまった彼女に制服を貸して、それから…

翌日風邪を引いた自分を思いがけず見舞いに来てくれた彼女が嬉しくて。

その時、勢い(?)で告白した。

『熱のせいだろう』と怒鳴られたが、翌日、彼女はOKしてくれた。

すごく嬉しくて、世界が薔薇色になった気がした。

が。

告白前と後で変わった事と言えば、彼がWCOPを貰った事と毎日彼女の手作り弁当が届けられるというだけで、それ以外は一切進展はない。

それどころか、恋人同士になってから、舞の速水に対する態度がぎこちなくなった。

照れてるだけだとはわかっているし可愛いとは思うのだが、困ったように話題をそらしたり、時には人目を気にして駆けて行ってしまうこともある。

 

(今日だって…)

と彼は昼間の事を思い出した。

 

昼食を取りに出かける級友達を見ながら速水が舞に声を掛けようとした時だった。

「みんな、昼飯にしよう!」

と若宮が大声で言った。

「ええで」

「いいわ…」

「よかろう」

淀まず答えた彼女に苦笑する。

「…うん、いいよ」

速水は賛同した面子と一緒に食堂へと向かった。

『舞と二人で食べたかったんだけど…仕方が無いか』とつぶやく声が階段を降りるカンカンカンという音に掻き消える。

食堂に着いた彼らが思い思いの場所に腰掛け弁当を広げる中、速水はさりげなく舞の隣に座った。

一緒にいることに代わりはないが、あくまでも『みんなの中』。

「…楽しい…」

「どっかにお金落ちてへんかなー」

それぞれ雑談しながら食事を取っていると

「男若宮、おかずの交換を希望する」

といきなり若宮が箸を伸ばしてきた。

「わっ、ちょっと若宮さんっ」

おかずを取ろうとする彼から慌てて弁当を遠ざける。

「何だ、速水。嫌なのか?」

「え、だって…」

速水は自分の弁当を見た。舞の手作り弁当。

彼女が自分の為に作ってくれたものを他人に食べられるなんてもったいない。

「少しくらいいいだろうが。その卵焼きをくれ」

「だ、駄目だよ」

「何でだ?」

「だって、せっかく舞が…」

と言いかける言葉を本人が遮る。

「少しくらいよいではないか。若宮とて悪気があるわけではないのだろう」

「さすが芝村、わかってるなっ」

作った本人の承諾に異議を唱えることも出来ずにしぶしぶと弁当を差し出す。

速水の幸せの一部が若宮の腹へと消えてゆく。

(舞のばか~っ)

どんな時でも彼女は皆に対して寛大で、彼を特別『恋人』として扱うことはない。

そんなささいな事が速水には寂しい。

 

本当はもっと側にいたいし、デートだってしたい。

手を繋いだり、抱き締めたり、キスしたい。

やっと恋人同士になったというのに。

 

速水は作業に集中する真剣な舞の横顔を見る。

 

自分達はずっとこのままなんだろうか?

『恋人同士』という言葉以外に彼女と自分を繋げるものは何も無い。

こうして残って仕事をしているのは、一緒にいたいからだという事を彼女は知っているのだろうか…。

 

「はぁ…」

思わず漏れたため息に壬生屋がこちらを見た。

「具合、悪いんですか?」

「え?」

舞がチラと速水を見る。

「体調が悪いなら早く帰って休んだ方がよいぞ」

出かかる苦笑を飲み込んで無理やり二人に笑顔向ける。

「大丈夫だよ。心配してくれて有り難う」

「そうですか?ならいいのですけれど…」

とすまなそうに壬生屋が続ける。

「この間の出撃でご迷惑をおかけして…私の不徳の致す所、みなさんにまで」

「気にするな。そなたのせいではない。我らが未熟なせいだ」

「そうだよ、壬生屋さん。気にしないで。僕の判断が甘かっただけだから」

現在速水らが整備しているのは先の戦闘で壬生屋を庇って被弾した箇所だった。

壬生屋の1番機も被弾しており、ここ連日居残って整備を続けている。

「あら、もうこんな時間なのですね」

つぶやく壬生屋の声に多目的結晶体で時間を確認すると、午後10時を回ろうとしていた。

「仕事もはかどりましたし、わたくし今日はもうやめにします」

「そうか」

「お二方とも根を詰められませんよう」

そう言うと壬生屋が軽く会釈してハンガーを出て行く。

「舞、まだやるの?」

「ここが終ったら帰る」

「じゃ、手伝うよ」

「うむ」

騎魂号の被弾は思ったより周囲に影響を及ぼしていた。

神経接続が損傷を受けた為、反応速度まで低下している。

手分けして各パラメータの整備とチェックを行い、作業を終えた頃には午後11時半を回っていた。

「そろそろ終りにしようか。遅くなっちゃったし」

「そうだな。また明日作業するとしよう」

工具を片付けてハンガーを出る。

速水は裏庭へと歩きながらそろそろと切り出してみた。

「話があるんだけど、ちょっといいかな」

「何だ」

立ち止まった舞を速水が見る。

「その…リング、交換しない?」

「リング?」

彼は舞の袖を指した。

「制服のリング」

「どういうことだ?」

「えっと…」

聞かれて思わず言葉に詰まった。

何と言えばいいんだろう。

「厚志?何だというのだ」

追求されておずおずと口を開く。。

「その…舞と僕を『繋ぐもの』が欲しくって…」

「ええっ?!」

「駄目…かな…?」

彼女を感じる確たる物が欲しいと思うのは女々しいのかも知れない。

でも。

「そそ、そのような事を急に言われても」

「そう、だよね…」

わかってはいた。彼女がそういうことを嫌いかもしれないことは。

普段の舞の態度から十分推測出来たから。

「ごめん。変なこと言って。忘れてくれていいから」

そう言って歩き出した彼に舞が声をかけた。

「ま、待て」

「うん?」

振り返る速水に彼女がうつむく。

「その…ど、どうしても、と言うなら…」

「え、いいの?」

「かかか、かまわぬ」

消え入るような声で言う彼女のうなじが赤いのは気のせいか。

「じゃあ、整備員詰め所へ行こう。確か裁縫道具もあったと思うから」

「わ、わかった」

彼らは詰め所へ行き、制服を脱いだ。

鋏で縫い目を切ってそれぞれ袖口のリングを外す。

「僕のリング」

速水は自分のリングを差し出し、代わりに舞のリングを受け取った。

手際よく交換したリングを付け直す。

「大丈夫?舞のもつけてあげようか?」

「ここ、このくらい自分でできるっ」

危なっかしい手つきで針を動かす彼女を心配しながら速水は付け替えたばかりの袖のリングを嬉しそうに眺めた。

「し、しげしげと見るなっ」

「だって、これからいつも舞と一緒にいられるから嬉しくって」

「ば、馬鹿っ。毎日会っているではないかっ。なぬを言っているっ」

紅くなって怒鳴る彼女の片手は、縫い目に自信がないのか付け終わった袖のリングを押さえている。

そんな姿が可愛くてなおさら速水を幸せな気分にさせる。

「遅いし家まで送るよ。ね?」

裁縫道具を片付けて詰め所を出る。

「鞄、教室だよね。取りに行こう」

彼らは連れ立って校舎の階段を昇った。

 

深夜に近く電灯も落ちている教室には誰もいなかった。

窓から差し込む月の光が室内を照らしている。

窓際の自分の席で鞄を取った速水は後ろの席の舞を振り返った。

目の前の彼女は鞄を手に月光を受けて妖精のように立っていた。

瞳が月の光を受けてきらきらと光っている。

(綺麗…)

世界でただ一つの至宝の宝石。

「厚志?」

じっと見つめる彼をいぶかしそうに舞が見る。

速水は惹かれるように静かに彼女に顔を近付けた。

「えっ?」

驚く瞳が見開かれ、軽く触れる唇。

舞は思わずぎゅっと目をつぶった。

 

思ったより柔らかい…

 

速水は唇を更に強く押し当てた。

触れる部分から互いの体温を感じる。

それが妙になまめかしくて…

 

かあぁぁぁぁぁぁぁぁっ。

 

唇を離した途端、二人して真っ赤になってうつむいた。

 

こめかみに鼓動が響く。

速水は息をついてつぶやいた。

「その…ごめん…」

「…あ、謝るな、ばかっ…」

舞がうつむいたまま小声で叱咤する。

速水は立ち尽くす舞からぎこちなく鞄を取った。

「帰ろう…」

照れくさそうに歩き出す彼の後を舞も照れくさそうについて行く。

 

無言のまま階段を降りて校舎裏に差し掛かった時、不意に速水が振り返った。

「あの、ね」

と控えめに口を開く彼の顔はまだ少し紅い。

「なななな、なんだっ」

「今度の日曜…デートしようか…?」

「ば、ばばば…」

『馬鹿者』と言いたかったらしい舞はの顔は速水よりももっと紅い。

「この間のデート、出撃で潰れちゃったから…」

本当はもっと早くに誘いたかった。ずっと楽しみにしていたから。

でも、二人になる機会がなくて。

今ならOKしてもらえる気がして、彼女の返事をドキドキしながら待つ。

舞はうつむいてしばし沈黙した後一言つぶやいた。

「そ、そなたの好きにするがいい…」

「…うん。じゃ、約束」

彼が舞へと手を差し出す。

余りにも自然に差し出された手を思わず舞は掴んでしまう。

『あっ』と気が付いた時には速水が手を引いて歩き出した。

合わせた手の平がくすぐったくて照れくさい。

離すきっかけを失って…舞は手を繋いだまま家路を辿る。

「日曜日、晴れるといいね」

歩きながらそうつぶやいた速水の声はどこか嬉しそうだった。

 

 

* * * * * *

 

 

「おはよーなの、まいちゃん」

翌朝、いつもの様に登校した舞は教室に入った途端、ののみの元気な挨拶を受けた。

「早いな。感心だ」

笑顔で彼女に答えて自分の席へ向かう。

鞄から教科書を取り出していると

「あれ?」

と言ってののみが寄って来た。

「何だ?」

「えっとねぇ」

彼女はじーっと舞の手元を見ている。

「教科書がどうかしたか?」

問いにののみがぶんぶんと首を振る。

「まいちゃん、それ」

「ん?」

舞はののみが制服の袖を見ていることに気が付いた。

「どーしたの?みんなのとちがうね?」

「え?あ、そ、その、これは…」

わたわたと言い訳をしようとしたところへ石津が教室へ入って来た。

「…おはよう…」

「あ、おはよーなの」

ののみに微笑んで石津は自分の席に鞄を置いてから、舞を見ているののみに声を掛けた。

「…どう…したの…?」

「うん。まいちゃんのせーふく、みんなとちがうの」

「…制服…?」

「いや、だから、これはそのっ…」

近づいてきて舞の制服の袖を見た石津が気づく。

「…男子の…リング…?」

「え?そうなのもえちゃん?それでののみとはちがうのね」

石津がうなずく。

「でも、なんでなの、まいちゃん?」

「ええっと…」

石津とののみの視線に舞は言葉を濁して言い訳を考える。

「だから…」

「やあ、みんな。今日も愛を振りまいてるかい?」

賑やかに教室へ入って来た瀬戸口がふと集まるみんなに気が付いた。

ギクッ。

慌てて袖を隠す舞を見て彼もこちらへと寄って来る。

「何やってんだ、お前ら?」

「なな、なんでもないっ」

「なんだよ。隠し事はなしだぜ?」

「まいちゃんね、リングがちがうのよー」

「ののみっ」

焦って叫んだ時には既に瀬戸口の興味を引いていた。

「リング?制服のか?」

「ああっ、や、止めよっ」

慌てて袖を隠す舞の後ろに回って瀬戸口が一瞥。

「ふ~ん。それってもしかして?」

意味深な視線を寄越す彼に舞が紅くなる。

「な、なんでもないぞっ。こ、これは厚志が…っ」

「速水が何だって?」

ニヤニヤと瀬戸口が追求する。

とそこへ当の本人がやって来た。

「あ、おはよう、みんな」

「おう、速水」

おいでおいでをする瀬戸口に速水は自分の席へやって来る。

「どうしたの?」

と尋ねる彼の腕をすかさず瀬戸口が掴んだ。

「え、何?!」

「やっぱり」

『女子のリングだな』と言いながら速水と舞を見比べる。

「そういうことか。やるね二人とも」

「えっ?」

紅くなった速水に釣られて舞もかぁっと紅くなる。

「べ、別に深い意味は…」

「あ、厚志がどうしてもと言うから…っ」

それぞれ言い訳を始める速水と舞。

「どういうことなの、たかちゃん?」

キョトンとしてののみが無邪気に尋ねる。

「速水と芝村は互いの制服のリングを交換したってことさ」

「そうなの?」

と言って紅くなっている二人を見ていたののみが突然ニコッと笑った。

「あっちゃんとまいちゃんはなかよしさんだから、こうかんしたのね?」

「ま、そういうこった。お熱いことで」

「そ、そんなんじゃないよ」

「じゃ、どんなんだよ?これってやっぱり、だろ?」

聞かれて答えられない彼らはますます紅くなってうつむく。

「いいな、いいな。なかよしのしるしなのね。ののみもやりたいー」

「じゃ、俺とする?リングの交換vv」

「いいの、たかちゃん?」

「ののちゃんとなら大歓迎vv」

「わーい。たかちゃんとなかよしのしるしなのー」

無邪気な声に次々とやって来たクラスメート達が彼らを囲む。

「おはよーさん。ってみんな何しとん?」

「リングのこうかんなのよー。なかよしのしるしなの」

「え、ほんま?!」

輪の中心にいる速水と舞をしげしげと加藤が眺める。

「ちょ、見せてーな」

「わっ、馬鹿、なぬをっ」

「ちょっと、加藤さんっ」

有無を言わせず彼らの制服の袖を引っ張って確認した彼女はほうっと息をついた。

「ほんまや。ええなー。うちもなっちゃんと交換してもらおーvv」

授業間際にも関らず加藤がパタパタと2組へ駆けてゆく。

 

小隊一の情報屋によって彼らのリング交換の話はあっと言う間に広がり、その日5121小隊はラブラブモードの嵐が吹き荒れた。

 

昼休みの2組では

「よければわたしのリングを…」

と言う遠坂に

「わ、私お裁縫得意ですからっ」

と田辺が答えていた。

森と茜は向かい合ってうつむいたまま、上目ずかいに互いの袖をじっと見ている。

互いの性格が邪魔してか、思うことが素直に口に出せないらしい。

彼らを見ながら原がくすくす笑っていた。

「制服のリングの交換だなんて、みんな可愛いわよねー」

余裕をかます彼女もしかし何か思案している様子だ。

とそこへドタドタと足音も高く現れた一人の男。

「もーとーこーさーんっ」

「あら、若宮くん」

彼は原の前で敬礼をしてからおもむろ口を開いた。

「あ、あの、俺のリングと素子さんの…」

「ああ、忙しいっ。早くお昼食べて仕事しないとっ」

一瞬ひるんだ原は何事もなかったように身を返して教室を出てゆく。

「あぁっ。待ってください、素子さんーっ」

ドタドタドタッ。

小高い足音を廊下に残し原を追いかける若宮を見て、教室の戸口で壬生屋は紅くなりながら『不潔です』とつぶやいた。

 

 

「馬鹿馬鹿、厚志っ。お前のせいで大恥をかいたっ」

「ごめん。こんなことになるなんて思わなくって」

放課後並んで仕事に向かいながらなじる舞に速水が苦笑する。

彼らはみんなが騒ぐ中、一日中冷やかされ続けたのだ。

「大体リングの交換など、子供じみているっ」

どかどかと足音を立てて歩く舞は、しかし少し頬が紅い。

「でも、みんな同じなんだね」

「何がだっ」

「『好きな人と一緒にいたい』って思うこと」

「ば、馬鹿者っ」

「舞は思わないの?」

「そ、それは…」

「僕はいつでも思ってる」

彼は大事そうに自分の制服の袖を抱き締めた。

「こうして舞と一緒にいられるのがとても嬉しい」

「たかが制服ではないかっ」

「それでも、ね」

「馬鹿っ」

そっぽを向く彼女のうなじが紅くなる。

彼女を困らせるつもりはなかったが、それでも紅くなるのは少しでも自分と同じ気持ちでいてくれるからだろうか。

『もしそうだったら』と思うと照れくさくて、とても嬉しい。

「一緒に仕事しようか」

ハンガーの階段を昇りながら速水が舞へ手を差し出す。

「…まあ、よかろう」

舞は差し出された手を掴んで一歩彼へと踏み出した。

手を引く彼が思いついたように後ろを振り返る。

「ねぇ、いつかちゃんとしたリングを舞にあげるね」

「ちゃんとしたリング?」

「左手の薬指に入れる指輪」

「えええっ?!」

「それまで舞の薬指、空けておいて」

本日の騒動の張本人、速水は優しい瞳で恋人に笑った。

繋ぐ手を引いて舞を引き寄せる。

「あああ、厚志っ」

狭い階段で身動きがとれずに舞が速水の胸に倒れ込む。

彼はクスクス笑いながら両手で彼女を抱き締めた。

「今はこのままで十分幸せだから」

「ば、馬鹿者っ」

紅くなる舞の耳元で速水はそっと愛しげに囁いた。

「いつか、もっと幸せになろうよ…」

「さ、先の事など分からぬっ」

「とりあえず、今度の日曜のデートで今よりもっと幸せになろう」

「馬鹿っ…」

彼は笑って舞の額に口付けた。

 

 

 

その頃、このラブラブモードの嵐が吹き荒れる小隊に一人憤慨する人物がいた。

彼女はグランド外れで目一杯大声で叫ぶ。

「もう、先輩っ。何で制服じゃないんですかーっっ」

「…」

目の前でふくれる新井木に、来須は目深に帽子を被り直して夕空を見上げた。

 

 

END

 

2001/10/9

 

制服シリーズ(?)第2弾です。

制服と言うと『ボタン』を思い出すのですが(古い)、

G.P.M.制服にボタンは無い…。が~ん。

で、こんなのになってみました。

相変わらず乙女なあっちゃん…。